いよいよ本格化する Internet of Things 「モノのインターネット」時代に求められるネットワークインフラのあるべき姿とは

考えられるユースケースは実に多彩
サービスプロバイダーにも大きなチャンス

 それでは具体的にどのようなサービスが可能になるのか。考えられるユースケースをいくつか挙げておきたい。

 まず1つ目は、電力業界のスマートグリッドへの適用例である。

Cisco IoT Use Case Connected Grid FAN Architecture

 各家庭の電力メータや変電器、送電網、街灯、変電所、発電施設などをネットワークに接続し、これらをCisco CGR 1000に収容する。さらにこれをデータセンターとも結び、電力使用量等のデータ収集の自動化や、データ分析に基づいた発送電コントロールを行うのである。このような社会インフラとなるネットワークには、高度なセキュリティとスケーラビリティが必要となるが、Cisco CGR 1000なら十分に対応できる。またルータ上でアプリケーションを実行すれば、ネットワークの自律性を高めることも可能になる。

 次に紹介するのは、自動車への適用例だ。

Cisco IoT Use Case Connected Grid FAN Architecture

 車内にルータを設置し、車外のWi-FiアクセスポイントやDSRC(Dedicated Short Range Communications:日本ではETCやVICS等で使用されている通信方式)等を介してFANに接続する。これによって車内の多様なデバイスのデータをデータセンターに吸い上げ、これらのデータを活用したサービスを提供する。車載ルータがフォグノードとして機能すれば、車と車との間のコミュニケーションも可能だ。もちろん車内のスマートデバイスをネットワークに接続することもできる。さらにこれをスマートグリッドと接続すれば、電気自動車の充放電に関するサービスも可能になるだろう。シスコはこの領域ですでに3年前から基礎研究に取り組んでおり、一部の自動車メーカーの研究所での検証も進められている。

 これらは考えられるユースケースのごく一部に過ぎない。他にも気象データの収集・分析のためのネットワーク、災害防止を目的とした監視センサのネットワーク、工場やプラントにおけるプロセス管理や予防保全、病院における備品や薬品の管理、商業施設の顧客動線を活用したサービスなど、様々な活用が考えられる。

 今回、本誌ムービーセクションでも紹介しているコペンハーゲン空港のケースも、IoT活用の1つの可能性を示唆するものだといえる。この事例では空港に来た旅客のスマートデバイスをWi-Fiで接続し、検知された個々のロケーションを集約・分析することで、旅客の動きの全体像を捉えている。この情報をベースに、チェックインやセキュリティゲート、税関などの窓口の数を動的に変化させているのである。まさにこれは「Coupling of Object」の具体例だ。このようなアプローチをIoTでさらに進めていけば、より興味深い事例が生まれるだろう。

 もちろんサービスプロバイダーは、この領域でも重要な役割を果たせるはずだ。また収益機会の拡大にもつながる可能性がある。すでに保有している基地局やアクセスポイントに接続されるデバイス数が増えれば、それだけ既存設備から得られる収入が増大するからだ。しかしそれ以上に重要なのが、IoTのインテリジェンスが生み出す付加価値である。ここにどれだけのチャンスがあるのかはまだ未知数ではあるが、将来大きなビジネスに成長していく可能性を秘めている。

 IoTの市場でどのようなポジションを確立できるか。これもサービスプロバイダーにとって、今後の重要課題になることは間違いないだろう。

いよいよ本格化する Internet of Things

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