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「シスコEPNセミナー」セッション概要レポート

2015年4月2日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタル ホテルにおいて「シスコEPNセミナー」が開催された。ここでシスコはEPNに関する最新情報と、サービス プロバイダーが抱える諸問題をEPNがどのように解決するのかを紹介。また、業界の第一線で活躍中の国内大手サービス プロバイダー 技術担当者が参加するパネル ディスカッションも行われた。ここでは各セッションの概要を簡単に振り返りたい。

「Cisco EPNのビジョンと戦略について」
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Brendan Gibbs
VP, HERO Marketing, Cisco

 最初のセッションでは、EPNのビジョンと戦略、注目すべきアップデートが網羅的に紹介された。Brendan Gibbsはまず「現在のSPネットワークは過去のサービスのために構築されたもの」であると述べ、次世代サービスは新たなアプローチを求めていると指摘。これを可能にするのが、圧倒的なスケーラビリティと運用の簡素化、新たな収益性をもたらすEPNなのだと説明した。そしてキャリア クラスの拡張性をもたらすものとして、新たにリリースされたCisco ASR 9000シリーズ向け高密度100GEライン カード等を紹介。また運用の簡素化を可能にするESPの概要や、新たな収益源になり得る Cisco Virtual Managed Service、他社には真似のできない効率性を実現した仮想ルータCisco IOS XRv 9000 Virtual Router等の概要も示された。

「SPビジネスを変革するEPNポートフォリオの拡充について」
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Dennis Cai
Distinguished Engineer, Technical Marketing, HERO Marketing, Cisco

 2番目のセッションではEPNにおけるテクノロジーとアーキテクチャーのイノベーションが紹介された。Dennis CaiはまずSegment Routingの考え方を取り入れたApplication-Engineered Routingの概要について解説。これによってMPLSを含むルーティング全体が、極めてシンプルになることを示した。さらに現在のL2VPNが抱える問題の解決が可能なx-EVPNや、Tail-fによるEnd-to-Endのオーケストレーションにも触れ、これらを組み合わせることで"Autonomic Carrier Ethernet"が実現できると述べた。

「ネットワーク プログラマビリティによるビジネス インパクトについて」
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Hal Gurley
Director, Sales Business Development, GSP NMS Software Sales, Cisco

 3番目のセッションでは、EPNの上位レイヤに当たる、Tail-fによるオーケストレーションの説明が行われた。Hal Gurleyはセッションの冒頭でメインフレームの歴史を紐解きながら、複雑さを排除するにはモジュラー化が重要であることを指摘。Tail-fはNETCONF/YANGによるモデル駆動型のモジュラー化アプローチを採用しており、さらにサービス モデルとデバイス モデルを分離することで、俊敏性の高い運用を可能にしていると述べた。また新しいアプローチにおける人材育成の重要性にも触れ、そのためにシスコはTail-f買収後、大きな投資を行っていることも紹介した。

「ドイツ テレコムにおけるクラウドVPNプロジェクトの事例紹介」
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Andreas Enotiadis
Director, Mobility Architecture, Cisco

 4番目のセッションでは、EPNを実際に活用したドイツ テレコムの事例が紹介された。これは「CloudVPN」と呼ばれるカタログ ベース/セルフ サービス型のVPNサービスであり、すでに3カ国を対象にサービスが展開されていると言う。これによって数分程度の時間でのサービス提供が可能になり、サービス開発に必要な期間も75%以上削減できるとAndreas Enotiadisは説明。収益が減り続けている欧州のサービス プロバイダに対し、コスト削減と新たな収益源の確保という2つの側面から、大きなメリットをもたらす可能性があると語った。

「サマリー及びESPソリューション デモ」
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菅野 洋之
Consulting Systems Engineer, APJC EPN Architecture, Cisco

 5番目のセッションでは、EPNを含むESPの全体像に関するサマリーと、ドイツ テレコムのCloudVPNのデモが行われた。菅野はまずESPの全体像を示した上で、サービス プロバイダが複数ドメインで構成されるサービスを提供していることを指摘、ESPがクロス ドメインでのオーケストレーションを実現していると語った。またサービスとデバイスに分離されたモデル駆動型アプローチにも言及、これによって新たなサービス タイプの定義を2〜4日、新たなデバイス タイプの定義を2〜4週間で実現できると述べた。さらにCloudVPNのデモでは、顧客から見たサービス オーダーや設定変更の流れが、実際の画面を使って紹介された。

パネル ディスカッション
「”Service Provider Architecture” のこれから〜NFVの現状・課題・可能性、そしてその先へ」
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パネリスト
NTTコミュニケーションズ株式会社 技術開発部 担当課長
棚橋 弘幸 氏

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パネリスト
KDDI株式会社 IPネットワーク部
大垣 健一 氏

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パネリスト
ソフトバンクモバイル株式会社 ネットワーク本部 ネットワークアーキテクチャ開発室 担当部長
西 和人 氏

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モデレータ
シスコシステムズ合同会社 Principal Systems Engineer
河野 美也

 最後のセッションでは、国内の代表的なサービス プロバイダーで活躍する技術担当者がパネリストとして参加する、パネル ディスカッションが行われた。テーマはNFV/SDNの本質と課題、そして今後の展望。まずNFV/SDNの本質について「仮想化はプロビジョングの効率化に貢献する」「自動化やオーケストレーションによってビジネス アジャイルが可能になる」といった内容が語られる一方で、「まだ十分な費用対効果が得られていない」「新たなノウハウの蓄積が必要」「標準化と相互接続性がまだ混沌としており実機検証が不可欠」といった課題も指摘。その上で、Tail-fが提供するオーケストレーション機能の成熟や、DevOpsやサービス チェイニング、キャリア クラスの信頼性やスケーラビリティの実現等、将来への期待が語られた。

本セッションでの議論のポイントについては、モデレータを務めた河野 美也によるコラムにまとめられているので、ぜひ合わせてご覧いただきたい。

【コラム】”Service Provider Architecture” のこれから - NFVの現状、課題、可能性そしてその先へ

激変する競争環境を勝ち抜くためのアーキテクチャ
Cisco Evolved Programmable Network(EPN)アップデート

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